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手首や指の付け根が痛くて「腱鞘炎かもしれないけれど、何科に行けばいいの?」と迷っていませんか。結論からお伝えすると、腱鞘炎が疑われるときの受診先は整形外科が基本です。この記事では、腱鞘炎の代表的なタイプと原因、整形外科で行う検査・治療、受診の目安、そしてご自身でできるセルフケアまで、やさしく解説します。
腱鞘炎(けんしょうえん)は、手や指を動かす「腱」と、腱の通り道である「腱鞘」がこすれ合って炎症を起こし、痛みや腫れ、動かしにくさが出る病気です。腱や腱鞘は骨・関節・筋肉とともに「運動器」と呼ばれ、この運動器の病気やけがを専門的に診断・治療する診療科が整形外科です。そのため、手首や指の痛みで受診先に迷ったときは、まず整形外科を選んでいただくのが一般的です。整形外科では、問診と診察に加えて、必要に応じてレントゲンや超音波(エコー)などの検査を行い、痛みの原因が本当に腱鞘炎なのか、それとも別の病気なのかを確かめたうえで治療につなげることができます。「湿布を貼って様子を見ているけれど良くならない」という段階でも受診していただいて構いません。原因がはっきりするだけでも安心につながります。なお、指や手首の痛みには、関節リウマチや変形性関節症、ガングリオン(できもの)など、腱鞘炎とよく似た症状を起こす病気が隠れていることもあります。朝の手のこわばりが続く、複数の関節が腫れて痛むといった場合は、リウマチの検査が必要になることもありますので、自己判断せず一度ご相談ください。関節リウマチについて詳しくは関節リウマチは何科?初期症状と受診の目安の記事もご覧ください。
ひとことで腱鞘炎といっても、起こる場所によっていくつかのタイプがあります。ここでは、整形外科の外来でよくみられる代表的な2つをご紹介します。
手首の親指側にある腱鞘と、その中を通る2本の腱(親指を広げたり伸ばしたりする腱)に炎症が起こる病気で、狭窄性腱鞘炎とも呼ばれます。親指を動かしたときや、物をつかんで手首をひねったときに、手首の親指側に痛みが走るのが特徴です。妊娠・出産期や更年期の女性に多くみられるほか、スマートフォンの操作やパソコン作業、赤ちゃんの抱っこなどで手をよく使う方にも起こりやすいとされています。
指の付け根の腱鞘に炎症が起こり、指の曲げ伸ばしのときに引っかかりを感じる病気です。進行すると、曲げた指が伸びにくくなり、無理に伸ばすと「カクン」とばねのようにはねる「ばね現象」がみられます。朝方に症状が強く、日中は使っているうちに軽くなることも特徴のひとつです。親指・中指・薬指に多く、こちらも更年期や妊娠・出産期の女性、手をよく使う仕事やスポーツをされる方、糖尿病のある方に起こりやすいといわれています。
腱鞘炎の多くは、手や指の使いすぎによって腱と腱鞘がこすれ合い、炎症が起こることで生じます。パソコンのタイピングやマウス操作、スマートフォンの長時間使用、楽器の演奏、調理や介護、赤ちゃんの抱っこなど、日常の中で手首や指に繰り返し負担がかかる動作が引き金になります。また、女性ホルモンの変化が関わることも知られており、妊娠・出産期や更年期の女性に腱鞘炎が多いのはこのためと考えられています。「使いすぎた覚えがないのに痛くなった」という場合でも、ホルモンバランスや体質が影響していることがありますので、我慢せずにご相談ください。

まず問診で、いつから・どの場所が・どんな動作で痛むのか、お仕事や生活での手の使い方などを伺います。診察では、痛む場所を確認し、親指を握り込んで手首を小指側に曲げたときの痛みをみるテスト(ドケルバン病の診察で用いられます)や、指の引っかかりの有無などを調べます。必要に応じてレントゲン検査で骨や関節に異常がないかを確認したり、超音波(エコー)で腱や腱鞘の状態をみたりして、似た症状を起こす他の病気と区別しながら診断します。
腱鞘炎の治療は、まず手の安静と保存療法が基本です。痛みを起こしている動作をできるだけ減らし、必要に応じて装具(サポーターやシーネ)で固定します。痛みや炎症に対しては、外用薬(湿布・塗り薬)や内服薬を使うほか、症状が強い場合には腱鞘内へのステロイド注射を行うことがあります。注射で症状の軽減が期待できますが、効果の程度や持続には個人差があります。あわせて、手の使い方の工夫やストレッチなどのアドバイスを行い、再発しにくい状態を目指します。
保存療法を続けても症状が改善しない場合や、再発を繰り返す場合には、腱鞘を切り開いて腱の通り道を広げる手術(腱鞘切開)が検討されます。手術が必要と判断される場合には、対応可能な連携医療機関をご案内いたします。
「このくらいで病院に行っていいのかな」と迷われる方は多いのですが、次のような場合は一度整形外科の受診をおすすめします。
腱鞘炎は軽いうちであれば保存療法で症状の軽減が期待できることが多い一方、痛みを我慢しながら使い続けると炎症が慢性化し、治療に時間がかかったり、ばね指では指が伸びにくくなったりすることがあります。症状が続く場合は、早めに医療機関を受診してください。

A.整形外科は医師が診療する医療機関で、レントゲンやエコーなどの検査による診断、お薬の処方、注射までを行えるのが特徴です。整骨院・接骨院では医師による診断や検査、投薬はできません。腱鞘炎かどうかをまず確かめるという意味でも、最初は整形外科で診断を受けていただくと安心です。
A.はい、ご相談いただけます。授乳中は使えるお薬に配慮が必要ですが、装具による固定や手の使い方の工夫など、お薬以外の方法も含めて治療を検討できます。診察の際に、授乳中であることを遠慮なくお伝えください。
A.症状が軽い場合は、安静と外用薬で症状が落ち着くこともあります。ただし、痛みの原因が腱鞘炎ではない可能性もありますし、使い続けながら湿布だけで様子を見ていると長引くことも少なくありません。1〜2週間続けても改善しないときは受診をご検討ください。
A.腱鞘内への注射は症状の軽減が期待できる治療のひとつですが、効果には個人差があり、再発することもあります。注射だけに頼らず、手の安静や使い方の見直しを組み合わせることが大切です。回数や間隔は医師が状態をみながら判断します。
同A.じ動作を長時間続けないようにこまめに休憩を入れること、作業の前後に手首や指を軽くストレッチすること、痛みが出はじめたら早めに手を休ませることが基本です。スマートフォンを長時間片手で持つ習慣がある方は、持ち方を変えるだけでも負担の軽減につながります。
腱鞘炎が疑われる手首や指の痛みは、整形外科の受診が基本です。代表的なタイプには手首の親指側が痛むドケルバン病と、指の曲げ伸ばしで引っかかるばね指があり、手の使いすぎに加えて妊娠・出産期や更年期のホルモン変化も関係するとされています。治療は安静・装具・お薬・注射などの保存療法が中心で、改善しない場合には手術が検討されます。痛みが1〜2週間続く、指の引っかかりがある、生活に支障が出ているといった場合は、我慢せずに整形外科で原因を確かめておくと安心です。症状の経過には個人差がありますので、気になるときは医療機関の受診をご検討ください。
にしむら整形外科クリニックは、新宿区西早稲田・高田馬場エリアで診療を行う整形外科クリニックです。手首や指の痛み・腱鞘炎についても、問診・診察と必要な検査で原因を確かめ、装具やお薬、注射、リハビリテーションなど、お一人おひとりの生活に合わせた治療をご提案しています。手を使うお仕事や育児で手首の痛みにお悩みの方は、当院の整形外科へお気軽にご相談ください。手の使い方の指導や運動療法をご希望の方にはリハビリテーション科もご案内しています。初診の流れは初めての方へをご覧ください。
院長 西村 暁(日本専門医機構認定 整形外科専門医)
兵庫医科大学卒業後、東京女子医科大学整形外科をはじめ複数の関連病院で整形外科医として研鑽を積み、2018年4月に新宿区西早稲田で「にしむら整形外科クリニック」を開院。開院以来、地域のかかりつけ医として腰・膝・肩などの痛みからリウマチ、リハビリテーションまで幅広い整形外科診療にあたっています。気になる症状は自己判断せず、お気軽にご相談ください。
経歴・保有資格の詳細はこちら → https://nishimura-seikei.com/doctor/