にしむら整形外科クリニック

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坐骨神経痛は何科?受診の目安と整形外科の検査・治療

  • 2026年9月11日

お尻から太もも、ふくらはぎにかけての痛みやしびれが続くと、「これは何科を受診すればいいのだろう」と迷われる方は少なくありません。結論からお伝えすると、坐骨神経痛でお困りのときは、まず整形外科を受診していただくのが基本です。この記事では、坐骨神経痛という言葉の意味、原因となる代表的な病気、早めに受診していただきたいサイン、整形外科で行う検査と治療、そして受診の目安まで、やさしく解説します。

坐骨神経痛の症状と整形外科での診療イメージを表した図解イラストです。

坐骨神経痛は何科?基本は整形外科です

坐骨神経痛の多くは、背骨(腰椎)や椎間板、その周囲の筋肉といった「運動器」に原因があり、そこで神経が刺激されたり圧迫されたりして起こります。こうした運動器の病気やけがを専門的に診断・治療する診療科が整形外科です。そのため、お尻から脚にかけての痛み・しびれで受診先に迷ったときは、まず整形外科を選んでいただくのが一般的です。整形外科では、問診や神経の状態を調べる診察に加えて、レントゲンなどの画像検査を行い、痛みの原因を確かめたうえで、お薬やリハビリテーションなどの治療につなげることができます。「しびれくらいで受診していいのだろうか」とためらわれる方もいらっしゃいますが、原因を確かめておくこと自体が安心につながりますし、早めに対応したほうがよい病気を見つけられる場合もあります。なお、坐骨神経痛と似た症状が、血管の病気や股関節の病気など、腰以外の原因で起こることもあります。整形外科の診察で運動器以外の原因が疑われた場合には、適切な診療科をご案内できますので、「どこに行けばいいか分からない」と迷い続ける必要はありません。まずは受診して原因を調べることが第一歩です。

 

そもそも坐骨神経痛とは?病名ではなく「症状の名前」です

意外に知られていませんが、坐骨神経痛は病名ではなく、症状につけられた名前です。日本整形外科学会も「坐骨神経痛はひとつの病気ではありません」と説明しており、お尻から太ももの後ろ側や外側にかけて広がる痛み・しびれをまとめてこう呼びます。ですから「坐骨神経痛ですね」と言われた段階では、まだ原因までは分かっていない、という点が大切です。坐骨神経は、腰の骨から出てきた複数の神経の根もとが集まってできた太い神経で、お尻から太ももの裏側を下り、膝の上あたりから何本かに分かれて足先まで広がっていきます。この経路のどこかで神経が障害されると、坐骨神経痛が起こります。症状の出方はさまざまで、お尻から脚の裏側にかけての鋭い痛み、電気が走るようなしびれ、ふくらはぎの張り、足先の感覚の鈍さなどとして感じられます。片側だけに出ることが多く、前かがみになったとき、長く座っていたとき、しばらく歩いたときなど、特定の動作や姿勢で強くなるのも特徴です。

治療の方針は原因となっている病気によって変わります。だからこそ、症状を「坐骨神経痛だから」で終わらせず、その裏にどの病気が隠れているのかを整形外科で確かめることが、回復への近道になります。

 

坐骨神経痛を起こす主な原因

坐骨神経痛の原因となる病気のうち、整形外科の外来でよくみられる代表的なものをご紹介します。

 

腰椎椎間板ヘルニア

背骨と背骨の間でクッションの役割をしている椎間板の一部が飛び出し、近くの神経を圧迫することで、腰の痛みやお尻から脚にかけての痛み・しびれを起こす病気です。比較的若い世代にもみられ、前かがみの姿勢や重い物を持ち上げる動作、長時間座っている姿勢で症状が強くなることがあります。多くは、お薬や安静などの保存的な治療で症状の改善が期待できるとされています。

 

腰部脊柱管狭窄症

背骨の中を通る神経の通り道(脊柱管)が、加齢による変化などで狭くなり、神経が圧迫される病気です。特徴的なのは「間欠跛行(かんけつはこう)」と呼ばれる症状で、しばらく歩くと脚がしびれたり痛くなったりして歩きにくくなり、少し前かがみの姿勢で休むとまた歩けるようになります。中高年の方に多くみられます。

 

腰椎分離すべり症・腰椎変性すべり症

腰の骨が前後にずれることで神経が圧迫され、坐骨神経痛が起こることがあります。分離すべり症は、若い頃にスポーツなどで生じた腰椎の分離が背景にあるもので、分離した部分にできた組織が神経の根もとを圧迫します。一方、変性すべり症は加齢に伴う変化によって中年以降に生じ、ずれによって神経が圧迫されます。

 

梨状筋症候群

坐骨神経がお尻を通り抜ける出口のあたりで、股関節を外側に回す働きをする梨状筋が坐骨神経を圧迫して症状が出ることがあります。長時間の座り仕事や運転、急に運動量が増えたときなどに起こりやすく、レントゲンでははっきりした異常が写らないため、診察で丁寧に確認していく必要があります。

腰から足先にかけて通る坐骨神経のルートを表した医療図解イラストです。

 

このほか、まれではありますが、腰やお尻の周囲の腫瘍、化膿性の病気などが原因になることもあります。夜間も痛みで目が覚める、発熱があるといった場合は、様子を見ずにご相談ください。なお、坐骨神経に沿った強い痛みとともに皮膚に発疹が出ている場合は、帯状疱疹の可能性があります。この場合は皮膚科が受診先になりますので、痛みと同じ範囲に発疹が出ているときは、その旨をお伝えください。

 

早めに受診していただきたい危険なサイン

坐骨神経痛の多くは、保存的な治療で経過をみることができます。ただし、次のような症状を伴う場合は、日数にかかわらず早めに医療機関を受診してください。日本整形外科学会も、腰の痛みでこうした症状を伴うときは、自己判断で様子を見ずにすみやかに整形外科を受診するよう呼びかけています。まず、脚に力が入らない、つま先が上がりにくい、階段でつまずくようになったといった筋力の低下です。神経の圧迫が進んでいる可能性があります。次に、尿が出にくい・漏れてしまう、お尻まわりの感覚が鈍いといった排尿・排便の異常です。神経が強く圧迫されているサインのことがあり、速やかな受診が必要とされています。また、安静にしていても痛みが軽くならない、日ごとに悪化していく、発熱を伴うといった場合や、転倒・尻もちなどのけがの後から症状が続く場合、がんの治療歴がある方の腰やお尻の痛みも、早めに医師の診察を受けていただくことをおすすめします。これらに当てはまらない場合でも、痛みが強くてつらいときは我慢なさらず、お気軽にご相談ください。

 

整形外科で行う検査と診察の流れ

「整形外科でどんなことをするのか分からず不安」という方のために、一般的な流れをご紹介します。

はじめに問診を行います。いつから、どのあたりが、どんなときに痛むのか、しびれの範囲、歩ける距離、お仕事や生活の様子などを伺います。坐骨神経痛では、どの動作で症状が強まるかが原因を絞り込む手がかりになりますので、気になることをメモにして持参いただくのもおすすめです。続いて診察では、腰や股関節の動き、押して痛む場所を確認したうえで、脚の感覚、筋力、反射などの神経の所見を調べます。あおむけで脚を持ち上げて症状が出るかをみる検査など、坐骨神経への刺激を確認する診察も行います。そのうえで必要に応じて画像検査を行います。レントゲン(X線)検査では、背骨の並びや変形、すべりの有無などを確認できます。椎間板や神経の状態をより詳しく調べる必要がある場合には、MRI検査が用いられることもあります(MRIは連携する医療機関での撮影をご案内する場合があります)。このほか、原因を見きわめるために血液検査や骨密度測定を行うこともあります。

 

整形外科での坐骨神経痛の治療

坐骨神経痛の治療は、まず体への負担が少ない保存的治療から検討するのが一般的です。

お薬による治療では、痛みや炎症をやわらげる内服薬・外用薬のほか、神経の痛みに用いられるお薬が使われることがあります。症状が強い場合には、神経の周囲に薬剤を注射するブロック注射療法が選択されることもあります。どのお薬が適しているかは、原因や体の状態、他にお使いのお薬によっても変わりますので、診察のうえでご相談しながら決めていきます。

リハビリテーションでは、温熱療法や電気療法で血流を促し筋肉の緊張をやわらげる物理療法、腰や首を引っぱって神経への圧迫をやわらげる牽引療法、そして理学療法士による運動療法を、症状の時期に合わせて組み合わせます。痛みが強い時期は負担の少ない物理療法から始め、落ち着いてきたら、腰やお尻まわりの柔軟性・筋力を整える運動療法へと進めていくことが多い流れです。あわせて、コルセットなどの装具療法を用いることもあります。

こうした保存的治療で改善が乏しい場合や、筋力低下・排尿の異常などがみられる場合には、手術という選択肢が検討されることもあります。その際は、連携している医療機関をご紹介します。

坐骨神経痛に対する整形外科での代表的な保存的治療法を表した3つの図解イラストです。

 

受診の目安:どれくらい続いたら病院へ行くべき?

あくまで一般的な目安ですが、危険なサインがない坐骨神経痛でも、安静やセルフケアをして1〜2週間たっても良くならない、あるいは悪化している場合は、一度整形外科の受診をご検討ください。長引く症状の背景に、治療が必要な病気が隠れていることがあるためです。一方、脚の脱力、排尿・排便の異常、発熱、けがの後から続く痛みなどがある場合は、日数を待たずにできるだけ早く受診してください。また、痛みで眠れない、仕事や家事に支障が出ている、歩ける距離が短くなってきたという場合も、日数にこだわらず受診していただいて構いません。症状の感じ方や経過には個人差がありますので、我慢を続けるより早めに原因を確かめるほうが、結果的に回復への近道になることも少なくありません。

 

ご自宅でできるセルフケアと注意点

急に強い痛みが出た時期は、痛みの出にくい姿勢で無理をせず過ごすことが基本です。ただし、長く寝込んでしまうと腰を支える筋力が落ち、かえって症状が長引きやすくなることが指摘されています。痛みの様子をみながら、日常の動作は少しずつ戻していきましょう。日ごろの過ごし方では、長時間同じ姿勢を続けない、椅子に深く座って背もたれを使う、重い物は膝を曲げて体に近づけて持ち上げる、体を冷やしすぎないといった工夫が負担の軽減につながります。ストレッチや体操も有効とされていますが、どの運動が適しているかは原因によって異なり、症状を強めてしまう動きもあります。自己流で強く伸ばしたり痛みを我慢して続けたりせず、内容は診察時にご相談ください。日本整形外科学会も、坐骨神経痛を起こす病気には腫瘍や化膿性の病気が含まれることから、診断がつかないまま長期間マッサージや注射だけで様子を見ることは勧められないとしています。

 

よくある質問(FAQ)

Q.1坐骨神経痛は整形外科と整骨院・接骨院のどちらに行けばよいですか?

A.整形外科は医師が診療する医療機関で、レントゲンなどの検査による診断、お薬の処方、注射、リハビリテーションまで行えます。整骨院・接骨院は柔道整復師による施術を行う施設で、医師による診断や画像検査、投薬はできません。坐骨神経痛は原因によって適した治療が変わりますので、まずは整形外科で原因を調べていただくと安心です。

 

Q.2坐骨神経痛は自然に治ることもありますか?

A.原因や程度によっては、数週間から数か月のうちに症状がやわらいでいくこともあります。ただし個人差が大きく、繰り返したり長引いたりする方もいらっしゃいます。良くならない、繰り返すという場合は、一度原因を確かめておくことをおすすめします。

 

Q.3レントゲンで「異常なし」と言われましたが、痛みが続きます。

A.レントゲンは主に骨の状態を確認する検査のため、椎間板や神経、お尻の筋肉が関係している場合には、はっきりした異常が写らないことがあります。異常なし=気のせい、ということではありませんので、症状が続く場合はあらためてご相談ください。必要に応じてMRIなどの追加検査や、リハビリテーションによる治療をご案内します。

 

Q.4温めたほうがよいですか、冷やしたほうがよいですか?

一般的には、急に強い痛みが出た直後は無理に温めず安静を優先し、痛みが落ち着いてきた慢性期には温めて血流を促すほうが楽に感じられる方が多いとされています。ただし、感じ方には個人差がありますので、心地よいと感じるほうを選び、迷うときは診察時にご相談ください。

 

まとめ

坐骨神経痛で受診先に迷ったら、まずは整形外科が基本です。坐骨神経痛は病名ではなく症状の名前で、その背景には腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、梨状筋症候群など、さまざまな原因が隠れています。脚の脱力や排尿の異常、発熱を伴う場合は早めの受診が大切です。危険なサインがなくても、1〜2週間たって良くならない痛み・しびれは、一度整形外科で原因を確かめておくと安心です。経過には個人差がありますので、症状が続く場合は医療機関の受診をご検討ください。

 

受診のご案内

にしむら整形外科クリニックは、新宿区西早稲田・高田馬場エリアで診療を行う整形外科クリニックです。坐骨神経痛をはじめとする腰・お尻・脚の痛みやしびれについて、問診・神経の診察と院内でのレントゲン検査などをもとに原因を調べ、お薬やリハビリテーションといった保存的治療を中心に、お一人おひとりに合わせた治療をご提案しています。お尻から脚にかけての痛み・しびれが続く方は、当院の整形外科へお気軽にご相談ください。牽引療法や運動療法を継続してお受けいただけるリハビリテーション科もご案内しています。受付時間や持ち物など初診の流れは初めての方へを、道順はアクセスをご覧ください。

 

監修・医師紹介

院長 西村 暁(日本専門医機構認定 整形外科専門医)

兵庫医科大学卒業後、東京女子医科大学整形外科をはじめ複数の関連病院で整形外科医として研鑽を積み、2018年4月に新宿区西早稲田で「にしむら整形外科クリニック」を開院。日本整形外科学会認定の専門医・リウマチ医・運動器リハビリテーション医・スポーツ医などの資格を持ち、開院以来、地域のかかりつけ医として腰・膝・肩などの痛みやしびれからリウマチ、リハビリテーションまで幅広い整形外科診療にあたっています。気になる症状は自己判断せず、お気軽にご相談ください。

経歴・保有資格の詳細はこちら → https://nishimura-seikei.com/doctor/

 

参考文献

日本整形外科学会「整形外科シリーズ29 坐骨神経痛」
https://www.joa.or.jp/public/pdf/joa_029.pdf

日本整形外科学会「腰痛」
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lumbago.html

日本整形外科学会「腰椎椎間板ヘルニア」
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lumbar_disc_herniation.html

日本整形外科学会「腰部脊柱管狭窄症」
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lumbar_spinal_stenosis.html

日本整形外科学会「腰椎変性すべり症」
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/spondylolisthesis.html

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