にしむら整形外科クリニック

お電話でのお問合せ
Tel.03-3200-3232

クリニック名

MENU

クリニックブログ

Blog

足底腱膜炎の治し方|かかとの痛みを和らげるセルフケアと整形外科での治療

  • 2026年10月2日

朝起きて布団から立ち上がる際にかかとの痛みに驚く女性のイラスト(新宿区西早稲田の整形外科「にしむら整形外科クリニック」)

朝起きて最初の一歩でかかとがズキッと痛む。それは足底腱膜炎(そくていけんまくえん)かもしれません。結論からお伝えすると、足底腱膜炎の治し方の基本は、足への負担を減らすことと、ふくらはぎ・足裏のストレッチを中心としたセルフケア、そして整形外科での診断と治療を組み合わせることです。この記事では、足底腱膜炎の原因、ご自身でできる対処法、整形外科で行う治療、受診の目安まで、やさしく解説します。

足底腱膜炎とは?朝の一歩目にかかとが痛む病気

足底腱膜は、かかとの骨から足の指の付け根まで、足の裏に膜のように張っている丈夫な組織です。土踏まずのアーチを弓の弦のように支え、歩いたり走ったりするときの衝撃を吸収するばねの役割をしています。この足底腱膜に繰り返し負担がかかり、かかとの付着部などに炎症や小さな傷みが生じて痛みが出るのが足底腱膜炎です(足底筋膜炎と呼ばれることもあります)。特徴的なのは、朝起きて歩きはじめの一歩目や、長く座った後に立ち上がって歩き出したときに、かかとの内側あたりに鋭い痛みが出ることです。歩いているうちにいったん痛みが軽くなり、夕方や長く歩いた後にまた痛むという経過もよくみられます。ランニングをされる方の代表的な足のトラブルのひとつですが、立ち仕事の方や中高年の方にも多くみられます。

 

足底腱膜炎の原因となりやすい方

足底腱膜炎は、足底腱膜にかかる負担が回復を上回ることで起こると考えられています。次のような方に起こりやすいとされています。

  • ランニングやジャンプ動作の多いスポーツをしている(練習量を急に増やした)
  • 立ち仕事や長時間の歩行が多い
  • ふくらはぎやアキレス腱、足裏が硬い
  • 扁平足、または土踏まずが高い足の形をしている
  • 体重が増えて足への負担が大きくなっている
  • 底の薄い靴やかかとの摩耗した靴、クッション性の乏しい靴をよく履く

加齢により足底腱膜の柔軟性が低下することも関係するとされ、40〜60歳代での発症も少なくありません。原因が一つとは限らず、複数の要因が重なっていることも多いため、ご自身の生活の中で思い当たるものがないか振り返ってみることが、治し方を考える第一歩になります。

 

自分でできる治し方(セルフケア)

軽い足底腱膜炎であれば、セルフケアで症状の軽減が期待できることがあります。代表的な方法をご紹介します。

 

ふくらはぎと足裏のストレッチ

足底腱膜炎のケアの基本はストレッチです。ふくらはぎ(アキレス腱)のストレッチは、壁に手をついて痛い方の脚を後ろに引き、かかとを床につけたまま前の膝をゆっくり曲げて、ふくらはぎの伸びを感じる方法が一般的です。足裏のストレッチは、足の指を手で反らせて足裏の張りを感じる方法や、椅子に座って足の裏でゴルフボールやペットボトルをゆっくり転がす方法があります。いずれも痛みのない範囲で、朝の歩きはじめの前やお風呂上がりなどに、毎日少しずつ続けることが大切です。

 

靴とインソールの見直し

かかとのクッションがすり減った靴や底の薄い靴は、足底腱膜への負担を大きくします。クッション性があり、かかとがしっかり支えられる靴を選びましょう。土踏まずを支えるインソール(足底挿板)で足のアーチを支えると、足底腱膜にかかる張力がやわらぎ、痛みの軽減につながることがあります。市販品でも構いませんが、足の形に合わないと逆効果になることもあるため、迷ったら受診時にご相談ください。

 

運動量の調整とアイシング

痛みが強い時期は、ランニングの距離を減らす、ジャンプ動作を控えるなど、足底腱膜への負担をいったん減らすことが回復への近道です。完全に安静にする必要はありませんが、「痛みを我慢して走り続ける」ことは悪化のもとになります。運動後にかかとが痛むときは、氷のうなどで10〜15分ほど冷やすと炎症による痛みがやわらぐことがあります。

足底腱膜炎によるかかとの痛みを和らげるために足裏のストレッチを行うイラスト(新宿区西早稲田の整形外科「にしむら整形外科クリニック」)

整形外科で行う検査と治療

検査・診断

セルフケアを続けても痛みが引かない場合や、痛みが強い場合は、整形外科での診断をおすすめします。問診でスポーツや生活の状況を伺い、診察で押して痛む場所や足の形、ふくらはぎの硬さなどを確認します。レントゲン検査では、かかとの骨のトゲ(骨棘)の有無や、骨の異常による他の病気との区別を行います。必要に応じて超音波(エコー)で足底腱膜の厚みや状態を確認することもあります。かかとの痛みには、疲労骨折や神経の障害、痛風など別の原因が隠れていることもあるため、まず診断をつけることが大切です。

 

治療

治療は保存療法が基本です。ストレッチ指導を中心とした理学療法士によるリハビリテーション、痛みや炎症を抑える内服薬・外用薬、インソール(足底挿板)の作製・調整などを、状態に合わせて組み合わせます。痛みが強い場合には注射による治療を検討することもあります。また、難治性の足底腱膜炎に対しては体外衝撃波治療という選択肢もあり、必要に応じて対応可能な医療機関をご案内します。多くの場合は保存療法で少しずつ改善が期待できますので、根気よく治療を続けることが大切です。

 

治るまでの期間と受診の目安

足底腱膜炎は、数週間で軽くなる方もいれば、数か月から1年ほどかけてゆっくり改善していく方もあり、経過には個人差があります。焦って運動を再開すると痛みがぶり返しやすいため、痛みの程度をみながら段階的に活動量を戻していくことがポイントです。

次のような場合は、一度整形外科の受診をご検討ください。

  • セルフケアを2週間ほど続けても痛みが良くならない、悪化している
  • 朝だけでなく、歩くたび・立っているだけでも痛むようになってきた
  • かかとが腫れている、安静にしていても痛む
  • スポーツを続けたいので、早く痛みをコントロールしたい
  • 市販のインソールが合っているか分からない

「そのうち治るだろう」と痛みをかばって歩き続けると、膝や腰など他の場所に負担が及ぶこともあります。症状が続く場合は、医療機関の受診をご検討ください。

足底腱膜炎によるかかとの痛みを抱えて歩く様子と、整形外科で医師に受診のタイミングを相談するイラスト(新宿区西早稲田「にしむら整形外科クリニック」)

よくある質問(FAQ)

Q.1足底腱膜炎のときは歩かないほうがいいですか?

A.完全に歩かないようにする必要はありません。ただし、痛みが強い時期に長距離の歩行やランニングを続けると回復が遅れやすいため、負担をいったん減らすことが大切です。日常生活の歩行は、クッション性のよい靴を選んだうえで、痛みと相談しながら行ってください。

 

Q.2湿布だけで足底腱膜炎は治りますか?

A.湿布などの外用薬は痛みや炎症をやわらげる助けになりますが、それだけで根本的な原因(ふくらはぎの硬さ、靴、負担のかけ方など)が解決するわけではありません。ストレッチや靴の見直しを組み合わせ、改善しない場合は受診をご検討ください。

 

Q.3かかとの骨にトゲ(骨棘)があると言われました。治らないのでしょうか?

A.かかとの骨棘は、足底腱膜に長く負担がかかった結果としてできることがありますが、骨棘があること自体が痛みの原因とは限らないとされています。骨棘があっても、保存療法で痛みの軽減が期待できる場合は多くありますので、あきらめずにご相談ください。

 

Q.4インソールは市販のものでもいいですか?

A.市販のインソールで痛みが楽になる方もいらっしゃいます。ただし、足の形や症状に合わないものを使うと効果が得られにくいこともあります。合っているか判断が難しい場合は、診察の際に靴やインソールを持参いただければ、状態に合わせてアドバイスいたします。

 

Q.5どのくらいで運動に復帰できますか?

A.痛みの程度や経過によって異なるため、一概には言えませんが、朝の一歩目の痛みが軽くなり、日常の歩行で痛みが出にくくなってから、距離や強度を段階的に戻していくのが一般的です。復帰の時期やメニューは、医師や理学療法士と相談しながら決めていくと安心です。

 

まとめ

足底腱膜炎は、足の裏のアーチを支える足底腱膜に負担がかかり、かかとを中心に痛みが出る病気です。治し方の基本は、ふくらはぎ・足裏のストレッチ、靴やインソールの見直し、運動量の調整といったセルフケアと、整形外科での診断・治療を組み合わせることです。多くは保存療法で少しずつ改善が期待できますが、経過には個人差があり、数か月単位の根気が必要なこともあります。セルフケアを2週間続けても良くならない痛みや、日常生活に支障が出ている痛みは、一度整形外科で原因を確かめておくと安心です。症状が続く場合は、医療機関の受診をご検討ください。

 

受診のご案内

にしむら整形外科クリニックは、新宿区西早稲田・高田馬場エリアで診療を行う整形外科クリニックです。かかとの痛み・足底腱膜炎について、問診・診察と院内でのレントゲン検査などをもとに原因を調べ、理学療法士によるストレッチ指導・リハビリテーションやお薬、インソールのご相談など、保存的治療を中心にお一人おひとりに合わせた治療をご提案しています。朝のかかとの痛みや長引く足裏の痛みでお困りの方は、当院の整形外科へお気軽にご相談ください。ランニングを続けたい方の運動療法はリハビリテーション科でサポートしています。初診の流れは初めての方へをご覧ください。

 

監修・医師紹介

院長 西村 暁(日本専門医機構認定 整形外科専門医)

兵庫医科大学卒業後、東京女子医科大学整形外科をはじめ複数の関連病院で整形外科医として研鑽を積み、2018年4月に新宿区西早稲田で「にしむら整形外科クリニック」を開院。開院以来、地域のかかりつけ医として腰・膝・肩などの痛みからリウマチ、リハビリテーションまで幅広い整形外科診療にあたっています。気になる症状は自己判断せず、お気軽にご相談ください。

経歴・保有資格の詳細はこちら → https://nishimura-seikei.com/doctor/

 

参考文献

日本整形外科学会「足の慢性障害」

日本整形外科学会「成人期扁平足」

カテゴリー

診療案内

自由診療

メディア掲載

クリニックブログ