にしむら整形外科クリニック

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手のしびれは何科?手根管症候群など整形外科で診る原因と受診目安

  • 2026年8月21日

手のしびれが続くと「何科に行けばいいのだろう」と迷ってしまう方は少なくありません。

結論からお伝えすると、手のしびれの多くは神経の圧迫が関係しており、まずは整形外科が相談先の候補になります。

この記事では、整形外科で診る手のしびれの主な原因、脳が原因の場合との見分けの考え方、放置した場合のリスク、受診の目安までをやさしく解説します。

手のしびれは何科を受診すべきか悩む患者と、原因や受診の目安を解説するイラスト

手のしびれは何科?まずは整形外科が相談先の候補です

手のしびれで受診先に迷ったとき、整形外科・脳神経内科・脳神経外科・内科など、いくつかの選択肢が思い浮かぶかもしれません。実は、手のしびれの原因として多いのは、手首・肘・首などで神経が圧迫されることだと考えられています。神経の通り道である骨・関節・靱帯・腱は整形外科が専門とする領域ですので、「数日〜数週間続く手のしびれ」「特定の指がしびれる」「手首や肘、首の動きでしびれが変わる」といった場合は、まず整形外科への相談をご検討いただくとよいでしょう。一方で、しびれの現れ方によっては、脳や血管、内科的な病気が関係している可能性もあります。突然の片側のしびれなど、急を要するサインについては後の章でご説明しますが、迷ったときに「とりあえず様子を見る」よりも、「まずどこかに相談してみる」ことが大切です。整形外科を受診した結果、他の診療科での精査が望ましいと判断されれば、適切な医療機関へご紹介する流れが一般的ですので、「科を間違えたらどうしよう」と心配しすぎる必要はありません。しびれと一口に言っても、「ジンジンする」「ビリビリと電気が走る」「感覚が鈍い」「力が入りにくい」など感じ方はさまざまです。どの指が、いつ、どんなときにしびれるのかをメモしておくと、診察がスムーズになります。

 

整形外科で診る手のしびれの主な原因

手のしびれを起こす代表的な病気には、次のようなものがあります。いずれも神経がどこかで圧迫されたり刺激されたりすることで起こる点が共通していますが、圧迫される場所によってしびれる指や症状の出方が異なります。

手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)

手首の手のひら側には「手根管」という骨と靱帯に囲まれたトンネルがあり、その中を正中神経という神経が通っています。この神経が手首で圧迫されるのが手根管症候群です。日本整形外科学会によると、初期には人差し指・中指を中心にしびれや痛みが現れ、進行すると親指から薬指の親指側までの範囲に広がるとされています。明け方にしびれや痛みが強くなり、手を振ると楽になるのが特徴的とされ、妊娠・出産期や更年期の女性に多くみられます。進行すると親指の付け根の筋肉がやせて、細かいものがつまみにくくなることもあります。

 

肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)

肘の内側には尺骨神経という神経が通っており、机の角に肘をぶつけたときに小指側へ「ビリッ」と響くのはこの神経によるものです。肘部管症候群は、この尺骨神経が肘のところで圧迫や牽引を受けて起こる神経の障害で、初期には小指と薬指の小指側のしびれが現れるとされています。加齢による肘の変形、ガングリオン(こぶ状のふくらみ)による圧迫、スポーツでの肘の使いすぎなどが原因になることがあり、進行すると手の細かい筋肉がやせて、箸が使いにくい・ボタンがかけにくいといった症状につながる場合があります。

 

頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)

首の骨(頚椎)は加齢とともに少しずつ形が変化し、神経の枝分かれ部分(神経根)が圧迫・刺激されることがあります。これが頚椎症性神経根症で、肩から腕にかけての痛みとともに、腕や手指のしびれが現れるのが典型的とされています。多くは片側に起こり、首を後ろに反らすと症状が強くなる傾向があります。中年以降の方に比較的多く、パソコン作業などで上を向く・首を反らす動作が症状に影響することもあります。基本的には保存的治療(手術以外の治療)が中心となる病気です。

 

胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)

首から腕へ向かう神経や血管は、鎖骨まわりの狭い通り道(胸郭出口)を通っています。ここで神経や血管が圧迫されたり引き伸ばされたりすると、つり革につかまる・洗濯物を干すなど腕を挙げる動作で腕や手のしびれ、だるさが出やすくなります。なで肩の若い女性や、重い荷物を運ぶ機会が多い方にみられることがあります。このほか、糖尿病などの内科的な病気に伴うしびれ(多くは両手足の先に左右対称に出やすいとされます)もあり、原因はひとつではありません。だからこそ、自己判断で決めつけず、診察と検査で原因を確かめることが大切です。

 

頚椎症性神経根症や肘部管症候群、手根管症候群による手のしびれの原因部位(首・肘・手首)を説明するイラスト

脳が原因のしびれとの見分けの考え方

手のしびれの中には、まれに脳の病気が関係している場合があります。過度に心配する必要はありませんが、次のような特徴があるときは、整形外科ではなく救急外来や脳神経内科・脳神経外科への受診が優先される、というのが一般的な考え方です。突然、片側の手足に同時にしびれや脱力が現れたろれつが回らない・言葉が出にくい顔の片側がゆがむ・口角から水がこぼれる片方の目が見えにくい・視野が欠ける経験したことのない激しい頭痛やめまいを伴う。こうした症状が急に出た場合は、ためらわずに救急要請を含めた対応をご検討ください。一方、整形外科で診ることが多い「神経の圧迫によるしびれ」は、特定の指だけがしびれる、首や手首の動き・姿勢でしびれが変化する、数日〜数週間かけてじわじわ続く、といった経過をとることが多いとされています。あくまで一般的な目安であり、実際の判断は診察が必要ですが、「急に・片側に・しびれ以外の症状も一緒に」出たときは急ぎのサイン、と覚えておくと安心です。

 

手のしびれを放置するとどうなる?

「しびれくらいで受診するのは大げさかな」と我慢してしまう方は多いのですが、神経の圧迫が長く続くと、神経の障害が進んでしまうことがあります。一般論として、手根管症候群や肘部管症候群が進行すると、しびれだけでなく筋肉のやせ(筋萎縮)が起こり、ボタンがけや箸の操作など細かい動作がしにくくなる場合があります。神経の障害が進んでからでは、治療をしても感覚や筋力の回復に時間がかかったり、回復が不十分になったりすることがあるとされています。だからこそ、「そのうち治るだろう」と長く放置せず、早めに原因を確かめておくことが大切です。もちろん、しびれの中には一時的なもの(正座の後のしびれのように、圧迫が取れれば戻るもの)もあります。ただ、数日たっても引かない、繰り返す、少しずつ範囲が広がる、力が入りにくくなってきたという場合は、症状が軽いうちに医療機関の受診をご検討ください。

 

整形外科で行う検査と治療

整形外科では、まず問診と診察で「どの神経が、どこで障害されていそうか」を絞り込みます。しびれの範囲や出るタイミング、手首や肘を軽く叩く・一定の姿勢を保つなどの誘発テスト、感覚や筋力の確認などを組み合わせて評価します。そのうえで必要に応じて、レントゲン(X線)検査で首や手首の骨の変形・並び方を確認します。頚椎の加齢変化や関節の変形は、レントゲンで多くの情報が得られます。また、糖尿病など内科的な要因が疑われる場合には血液検査を行うこともあります。より詳しい評価が必要と判断された場合には、MRIや神経伝導検査などを行える医療機関をご紹介する形が一般的です。治療は、原因や程度にもよりますが、多くの場合まず保存的治療から始めます。日本整形外科学会の解説でも、手根管症候群では消炎鎮痛剤やビタミンB12などの内服、装具による手首の安静などの保存療法が、肘部管症候群でも安静や薬物療法が第一段階として挙げられています。頚椎症性神経根症は、時間はかかるものの自然に軽快することが多いとされ、姿勢の指導や薬物療法、リハビリテーションなどで様子をみていくのが基本です。こうした保存的治療で十分な改善が得られない場合や、筋肉のやせが進んでいる場合には、手術という選択肢が検討されます。効果の現れ方には個人差がありますので、医師と相談しながら、ご自身の生活に合った治療を選んでいくことが大切です。

手のしびれで整形外科を受診した際の検査(問診・レントゲン)や保存的治療、受診の目安を解説するイラスト

受診の目安:こんなときは整形外科へ

最後に、受診を考える目安を整理します。

しびれが数日以上続いている、または繰り返している特定の指(親指〜中指、あるいは小指・薬指など)がしびれる明け方や夜間にしびれや痛みで目が覚める首や肩の痛みと一緒に腕・手のしびれがあるボタンがけ・箸・字を書くなど細かい動作がしにくくなってきた手の筋肉がやせてきた気がするこうしたサインがひとつでも当てはまる場合は、整形外科の受診をご検討ください。特に「細かい動作のしにくさ」や「筋肉のやせ」は、神経の障害がある程度進んでいる可能性を示すサインとされていますので、早めのご相談をおすすめします。繰り返しになりますが、突然の片側のしびれにろれつの回りにくさや脱力を伴う場合は、救急対応が優先です。

 

よくある質問(FAQ)

 

Q.1手のしびれは整形外科と脳神経内科、どちらに行けばいいですか?

特定の指のしびれ、首や手首の動きで変わるしびれ、じわじわ続くしびれは、神経の圧迫が原因のことが多く、まず整形外科が相談先の候補になります。突然の片側のしびれに、ろれつが回らない・力が入らないなどの症状を伴う場合は、脳の病気の可能性を考えて救急外来や脳神経内科・脳神経外科が優先されます。迷った場合は受診時にそのままお伝えいただければ、必要に応じて適切な診療科をご案内します。

 

Q.2朝起きたときだけ手がしびれるのは病気ですか?

寝ている姿勢で一時的に神経や血管が圧迫され、起床時にしびれを感じることは健康な方にもあります。ただし、明け方のしびれや痛みが繰り返し起こり、手を振ると楽になるという場合は、手根管症候群の特徴的な症状とされています。繰り返すようであれば一度整形外科でご相談ください。

 

Q.3小指だけがしびれるのですが、原因は何が考えられますか?

小指と薬指の小指側のしびれは、肘の内側で尺骨神経が圧迫される肘部管症候群でみられやすい症状とされています。首の神経の圧迫(頚椎症性神経根症など)でも似た範囲がしびれることがあるため、診察と検査でどこに原因があるかを確かめることが大切です。

 

Q.4手のしびれは自然によくなりますか?放置しても大丈夫でしょうか?

原因や程度によります。頚椎症性神経根症のように、時間をかけて自然に軽快することが多いとされる病気もあれば、圧迫が続くことで筋肉のやせなど障害が進んでしまう場合もあります。数日たっても引かない、範囲が広がる、力が入りにくいといった変化があるときは、放置せず医療機関の受診をご検討ください。

 

Q.5受診するとき、どんなことを伝えればいいですか?

いつから、どの指が、どんなときに(明け方・作業中・腕を挙げたときなど)しびれるか、痛みや力の入りにくさはあるか、をメモしてお持ちいただくと診察がスムーズです。糖尿病などの持病やお仕事・スポーツの内容も、原因を絞り込む手がかりになります。

 

まとめ

手のしびれの多くは、手首・肘・首などで神経が圧迫されて起こり、手根管症候群・肘部管症候群・頚椎症性神経根症・胸郭出口症候群などが代表的な原因です。これらはいずれも整形外科が専門とする領域ですので、「何科か迷ったら、まず整形外科」が一つの目安になります。一方、突然の片側のしびれにろれつの回りにくさなどを伴う場合は、救急・脳神経系の受診が優先されます。しびれが続く・繰り返す・細かい動作がしにくいといったサインがあれば、症状が軽いうちに原因を確かめておきましょう。症状の感じ方や経過には個人差がありますので、気になる症状が続く場合は医療機関の受診をご検討ください。

 

受診のご案内

にしむら整形外科クリニックは、新宿区西早稲田(東京メトロ副都心線・西早稲田駅すぐ、高田馬場駅からも徒歩圏)で診療を行う整形外科クリニックです。手のしびれをはじめ、首・肩・腰・膝の痛みなど、気になる症状がありましたらお気軽にご相談ください。レントゲンや血液検査などで原因を調べ、必要に応じて専門的な検査が可能な医療機関へのご紹介も行っています。当院の診療内容は整形外科のご案内をご覧ください。しびれや痛みに対する物理療法・運動療法についてはリハビリテーション科のご案内で、初めて受診される方は初めての方へでご確認いただけます。

 

監修・医師紹介

院長 西村 暁(日本専門医機構認定 整形外科専門医)

兵庫医科大学卒業後、東京女子医科大学整形外科をはじめ複数の関連病院で整形外科医として研鑽を積み、2018年4月に新宿区西早稲田で「にしむら整形外科クリニック」を開院。開院以来、地域のかかりつけ医として腰・膝・肩などの痛みからリウマチ、リハビリテーションまで幅広い整形外科診療にあたっています。気になる症状は自己判断せず、お気軽にご相談ください。

経歴・保有資格の詳細はこちら → https://nishimura-seikei.com/doctor/

 

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